モニターヘッドフォンの定番、『MDR-7506』というモニターヘッドフォンのレビューをしていきたいと思います。
結論から言いますと、モニターヘッドフォンをお探しの方はまず選んで欲しいというくらいオススメの商品です。
音楽にはもちろん、ゲームにも十分使用していける性能をしているので、これ一つあればヘッドフォン選びから解放されることでしょう。
3年以上使用してきて、イヤーパッドがボロボロになってきたので交換もしていきます。
主な仕様
型式 | 密閉ダイナミック式 |
ドライバーユニット | 口径40mm、ドーム型 |
感度 | 106db/mW |
再生周波数帯域 | 10 ~ 20,000Hz |
インピーダンス | 63Ω(1kHz) |
最大入力 | 1,000mW(IEC) |
コード | 約1.2m(伸長時:約3m) |
入力端子 | 金メッキステレオ2ウェイプラグ |
質量 | 約230g(コード含まず) |
付属品 | キャリングポーチ、保証書、取り扱い説明書 |
特徴
『SONY MDR-7506』は、海外で定番のモニターヘッドフォンと言われており、原音を忠実に再現する音作りになっています。
ヘッドバンドには鉄の薄い板が入っており、それを力で曲げて物理的に頭の形に合わせる事になります。伸縮する部分も含めて調整幅も大きいので頭のサイズが合わない、という事はまず無いでしょう。
側圧はとても軽く、今まで使ったヘッドフォンやヘッドセットの中でもダントツで一番優しいです。メガネをかけていても問題ありません。
ジャックは3.5mmミニプラグなのでスマホやゲーム機等にも使用できますし、変換プラグが付属しているので標準プラグとしても使用できます。
イヤーパッドの部分は折りたためるので持ち運びにも便利ですね。
業務用として製造されていた事もあって、コストは安く装着感は良いとは言えません。しかし、雑に扱っても問題無いほど耐久性に優れており、長期間での使用が期待できます。万が一壊れてしまってもほぼ全ての交換用パーツが存在するので自分で修理することも可能です。
音に関しては、モニターヘッドフォンの定番と言われるだけあって、小さくて細かい音が埋もれず、楽器の音が一つ一つが独立して聞こえてきます。イヤホンや音楽用ヘッドフォンを使っている方は、世界が変わるほど衝撃を受けるんじゃないでしょうか。
筆者自身、今までは安いイヤホンやヘッドフォンを使用していたので、最初にこの音を聞いた時は衝撃が走りました。一瞬で虜になり、一生使い続けていこうと思ったほど。
音楽を楽しく聴くような調整では無いので、人によっては迫力が足りないと思うかもしれません。音楽に迫力を求めるのか、作り手の音をそのまま聴きたいのか、で判断すると良いと思います。
個人的にゲームでも使用しています。音に問題は無いのですが、長時間使用していると頭頂部が痛くなってくるので注意が必要です。ヘッドクッションの重要性に気づかされますね・・・。
MDR-CD900STとの違い
MDR-7506 | MDR-CD900ST | |
形状 | 折り畳み式 | 特になし |
コード | カールコード | ストレートコード |
プラグ | 3.5mmミニプラグ (変換プラグ付属) | ステレオ標準プラグ |
再生周波数帯域 | 10 ~ 20,000Hz | 5~30,000Hz |
音質 | 低音寄り | 高音寄り |
日本でのモニターヘッドフォンの定番と言われているのが『MDR-CD900ST』(赤ラベル)なのに対し、海外で主流なのが『MDR-7506』(青ラベル)と言われています。ラベルの色で分かりやすく区別されています。
ぱっと見た感じは同じような外観をしているのですが、音質や構造など使い勝手の部分での違いが多いです。
『MDR-CD900ST』は日本の音楽業界標準のヘッドフォンでスタジオ向けという感じですね。標準プラグのみだったり、高音寄りの音質でボーカルの音を拾いやすかったりと業務用という印象です。
対して『MDR-7506』は折り畳み式、カールコード、ミニプラグなどの仕様で、普段使いが想定された作りになっています。音質も低音寄りで、モニターヘッドフォンの中でも迫力のある音に調整されている感じでしょうか。
再生周波数帯域だけ見ると『MDR-CD900ST』の方が優秀そうに見えますが、あくまでスペック上の話です。出ている音と人間の聞こえる音には個人差もありますし、音質とは別物ですので参考程度にと思います。
どちらもモニターヘッドフォンなのでオススメ出来ますが、可能であれば聴き比べして気に入った方を選ぶのが良いかと思います。特にこだわりが無く、普段使い用ならばミニプラグが搭載されてる『MDR-7506』がオススメですね。変換プラグが付いているのでDTMなどで作曲する方にも使いやすいと思います。
ゲーム用としての性能
筆者は音楽はもちろん、ゲームで使用する事も多いのですが、解像度の高さがあるのでFPSやTPSなどのシューティングゲームでも足音の方向や銃撃の場所などしっかりと把握する事が出来ます。ゲーミングヘッドセットと比べて定位感も遜色ありません。
特筆すべきは装着感の軽さで、ヘッドセットのようなガッチリホールドではなく、耳にイヤーパッドを添えるだけというような側圧の軽さなので耳が痛くなる事がありません。
しかし長時間のプレイの際、『MDR-7506』にはヘッドバンドにクッションが付いてない為、頭頂部が痛くなりがちです。
後述しますが、筆者はヘッドバンドカバーというものを取り付けていて、これのおかげで頭頂部の痛みは無くなりました。オススメです。
このヘッドホンにマイクを付けてヘッドセットとして販売して欲しい・・・。
イヤーパッドの交換
ではそろそろイヤーパッドの交換をしていきましょう。
ある程度使用しているとイヤーパッドはボロボロになってしまう物。3年ほど使用した現在の状態がコレ。
内側の方からひび割れて皮が破れてしまっています。交換用のイヤーパッドを用意しているので、これ以上酷くなる前に交換してしまいます。イヤーパッドの交換はとても簡単なので誰でもできます!
まずこんな感じで引っ張って取り外します。溝にイヤーパッドを引っかけて固定しているだけなので簡単に外れます。
外せました。
反対も同じように外します。
そして交換用に用意したイヤーパッドがこちら。
Krone Kalpasmosという商品。オリジナルの物とは違います。これは冷却ジェルが入ったイヤーパッドで、耳に当たる部分は布、それ以外は合皮で覆われており遮音性と快適性を両立している素晴らしいやつです。たぶん。
ゲームなど長時間プレイするので快適性を重視して選びました。イヤーパッドの材質などによって音質が変化する事があるので注意してください。
あとはコレを外した時と同じように引っ張って溝にはめていって完成です。
最後に、ヘッドバンドにカバーを取り付けます。
イヤーパッドと同じく、ヘッドバンドも摩擦や加水分解などでボロボロになってしまいます。イヤーパッドの交換と違い、分解する必要があったりと手間がかかるので、そもそもボロボロにならないようにカバーを取り付けます。
このカバーは1セット2個入りの商品だったので、2つとも重ねて取り付けます。見た目はダサくなりますが・・・。
これで完成です!
冷却ジェルがひんやりしていて、肌触りもサラサラしているので気持ちいいです。肌に当たる部分が布製なので破れる心配も無さそう。
追記:ヘッドバンドカバーを交換。頭頂部の痛みからの解放。
しばらく使用した後、頭頂部の痛みがどうしても気になったので新たにヘッドバンドカバーを交換しました。
こちらは、イヤーパッドと同じく冷却ジェルがヘッドバンドに付いており、ひんやりとしていて肌触りが良いやつです。ジッパーで取り付けるだけで簡単。
そして完成したのがこちら!
ヘッドバンドとイヤーパッドがどちらも冷却ジェルで統一されていてカッコいいですねぇ。
長時間の使用で気になっていた頭頂部の痛みから完全に解放されました。本当に痛みゼロです!
ヘッドパッドの厚みが増すので付け心地が変わってきますが、頭頂部の痛みが気になる方には是非試してもらいたいです。
もちろん折り畳みも可能です。
最後に
商品のレビューとイヤーパッドの交換までやってしまいましたが、どうでしたか?
私が『MDR-7506』を選んだ理由としては、単純に『MDR-CD900ST』よりも安かったからです。ですが音は全然安くない。
耐久性、音質が素晴らしくコスパの良いモニターヘッドフォンはなかなかありません。基本的にモニターヘッドフォンは高いですからね。
間違いなく名機ですし、業界スタンダードなモノがこの値段で手に入るというのは信じられません。
これからも大事に扱って末永く使用していければと思います。本当にこのヘッドフォンに出会えて良かったー!